メール設定トラブル

練馬の桜はすっかり葉桜です
日中は20℃を越え、夏の装いの方も目立つようになりました


例年この時期になると増えるトラブルが
「メールが受信できない」
「受信はできてるが、送信できない」
などがございます

3月下旬から4月に掛けて、メール設定のサポートは1年で最も多くなります
ここ数年では Mac/PC だけでなく、スマホ、タブレットPC に対する
メールの再設定・調整のご依頼も増えております
なぜこの時期にメール絡みのトラブルが増えるのでしょうか?
その原因の1つにプロバイダ側のメール送受信の仕様変更がございます

メール(電子メール)のしくみについておさらいですが
一般的なプロバイダを利用している場合
メールの受信の流れは、まず送信主からプロバイダ内の
メール受信サーバーにメールが届きます
Mac/iPhone に直接届いているのではありません

MacOSX, iOS の場合「メール」というアプリが
プロバイダの受信サーバーにアクセスし、メールを読み込みます
「メール」が定期的にアクセスし、新着メールがあると
音や振動・マーク・赤い数字等で新着を知らせてくれます

メール新着iOS
iOS「新着メール1通あり」の表示例

メール送信の場合は逆の手順で「メール」で作成したメール文書を
一旦プロバイダ内の送信サーバーに送信し、そこから相手の受信サーバーへ送信されます
この「受信サーバー」「送信サーバー」には
アカウントID、パスワードによってアクセスする仕組みになっているのですが
その仕組みやルールがプロバイダの都合で変更されるのです
変更の時期は(プロバイダによって異なりますが)
年度が変わる3月末、4月上旬となる場合が多いようです

以上がこの時期にメール絡みのトラブル対応が増える理由です

それでは何故プロバイダはユーザーがメールの送受信に影響が出る
「仕様変更」をするのでしょうか?

プロバイダがメールの仕様を変更する主な理由は
迷惑メール、スパムメール、フィッシングメール等を防ぐためです
「なりすまし」や「PC乗っ取り」「誘導」などあの手この手で
不正なメールが大量に送信されていますので
プロバイダとして利用者に受信させない為に変更するのです

ご存知の通り「防ぐ」「破る」はイタチごっこです
「防ぐ」のはプロバイダが未然に防ぐのが理想なのですが
残念ながら不正メールはどんどん巧妙化し
以前は防御できていた内容でも、一定期間を過ぎるとすり抜けてしまうので
ユーザーやプロバイダは定期的に対処しなければなりません

カスペルスキー社の調査によると 2016 年に送信された全世界のメールの
58.31% はスパムだったとアナウンスされています
そんな膨大な量のスパムを防ぐためにプロバイダによっては
「厳しい制約」を利用者に求める場合があるのです

「厳しい制約」とは「メール」アプリの細かい設定を必要とする場合があります
OSX は着々と進化していますが「メール」アプリも進化しておりますので
新しい防御方が設定可能になったり、設定方法や表現が変わってしまうこともあります
OS / メールアプリのバージョンによって設定は異なることがあり
これが混乱の元となってしまうことがあります

世の中には、OS 9 / Windows XP などの
旧世代の OS(=古いメールアプリ)の利用者もいらっしゃいますので
どの世代・バージョンをフォローするかはプロバイダ次第(さじ加減)となります

この「加減」がとても難しいようです
最新のスパム対策仕様にしてしまうと
古いバージョンのメールアプリが利用できなくなります
逆に古いバージョンの仕様に合わせてしまうと
最新のスパムには対応できなくなり
利用者にスパムメールが届き易くなるというジレンマがあります
汎用性(ユーザーフレンドリー)と信頼性の優先度の判断は
運営上とても難しいと思います

みなさんはプロバイダから「メールの仕様変更」などの案内が届いていませんか?


それではまた次回、またこの場所で

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