iMac の故障傾向 その3完

今回はいよいよ Intel iMac です!最終回です!

が、その前に世代のおさらいをさせてください
そもそも「世代」とはなんぞや?と調べてみると
「同時期に存在し、同系統の様式である、機械類の型」大辞林
とあります

ここまでに分類してきたのは

・第1世代:初代ブラウン管型
・第2世代:ブラウン管型 DV モデル
・第3世代:iMac G4
・第4世代:iMac G5
・第4.5世代:iMac G5 iSight

でした。
この分類の流れですと初代 Intel iMac は第5世代ということになります
ですが、ご存知のとおり筐体そのものは
4.5世代の iMacG5 iSight と同一です
背面のポートが若干変更になっただけで
正面から見ただけでは第4.5世代と第5世代は区別できません

内部構造も第4世代→第4.5世代のような全面的な変更はありませんでしたので
分解方法は第4.5世代と第5世代はほとんど同じ手順です
極端な表現をすれば CPU を除けば「同系統の様式」なんです
まぁどうでもいいことなんでしょうが
この頃の世代はちょっとややこしいんですよね
すいません、前置きが長くて。

ということで今回は「5代目 Intel iMac」からのご案内です

外観は iMac G5 iSight と全く同じ樹脂筐体で画面の大きさが2種類
CPU は他のモデルに先駆けて Intel Core Duo が搭載されました

5代目 Intel iMac(2006.1〜)
Early 2006 モデル
MA199J/A Core Duo / 1.83Ghz / 17inch
MA200J/A Core Duo / 2.0Ghz / 20inch

いよいよ Classc がサポート外となり
ユーザーはかなり混乱していた記憶があります
もうあれから5年以上が経つんですよね、、、。
Intel 化ということで、もう Mac / Apple とはおさらばだよ!
なんて言葉を吐き捨てていたユーザーは今頃どうされているんでしょうね〜

2006.9 には早くも CPU が Core 2 Duo にアップデートされました

Late 2006 モデル(2006.9〜)
MA710J/A Core 2 Duo / 1.83Ghz / 17inch
MA589J/A Core 2 Duo / 2.0Ghz / 17inch
MA590J/A Core 2 Duo / 2.16Ghz / 20inch

世代分けの判断が難しいのが 2007.8 に登場したアルミ筐体モデルです
特徴としては本体の裏側(背面)が黒い樹脂製です
現行に近いアルミ筐体の最初のモデルです
中身よりも外観が全く異なるので第6世代としたいと思います

6世代 Intel iMac (2007.8〜)
Mid 2007 モデル
MA876J/A Core 2 Duo / 2.0Ghz / 20inch
MA877J/A Core 2 Duo / 2.4Ghz / 20inch
MA878J/A Core 2 Duo / 2.4Ghz / 24inch

液晶パネル価格の下落もあり、
下位モデルが20インチ(旧17インチ)
上位モデルが24インチ(旧20インチ)へとアップグレードされました
初めて24インチを使用した時に感じたのは画面の「大きさ」「光沢」です
輝度が高く、光沢があるのでかなり目が疲れました
数時間画面を見てるとウサギさんのように真っ赤になっていました(今もそうですが)

2008.4 にはメモリの規格が
DDR2-667 から DDR2-800 へと変更された

Early 2008 モデル(2008.4〜)
MB323J/A Core 2 Duo / 2.4Ghz / 20inch
MB324J/A Core 2 Duo / 2.66Ghz / 20inch
MB325J/A Core 2 Duo / 2.8Ghz / 24inch
MB398J/A Core 2 Duo / 3.06Ghz / 24inch

が登場しました
DDR-800 モデルは1代限りで
次のアップデートは 2009.3 でした
メモリの規格が DDR3-1066 へと移行しました

定例のクロックアップ、アップデートが 2009.3 に行われ

Early 2009 モデル(2009.3〜)
MB417J/A Core 2 Duo / 2.66Ghz / 20inch
MB418J/A Core 2 Duo / 2.66Ghz / 24inch
MB419J/A Core 2 Duo / 2.93Ghz / 24inch
MB420J/A Core 2 Duo / 3.06Ghz / 24inch

と順調に CPU クロックが上がっていきました
次はいよいよ次世代 CPU の登場です

7世代 Intel Mac(2009.10〜)
アルミ筐体にさらに手を加え、背面部分の黒い樹脂部分を
フレーム一体のアールアルミ筐体に変更し、さらに薄くなりました
CPU は最上位モデルのみ Core i5 ( CTO でさらに i7 も選択可)が
搭載されました
メモリも最大で16GB(4GB x 4枚)の搭載が可能となりました
液晶のバックライトもLEDとなり
さらに目に優しくない画面になりました(笑)
画面の大きさは下位モデルが21.5インチ(旧20インチ)
上位モデルが27インチ(旧24インチ)へと進化しました
このころからさらなる円高が進み
日本での Apple 製品の価格が下落した時期でもありました

Late 2009 モデル(2009.10〜)
MC413J/A Core 2 Duo / 3.06Ghz / 21.5inch
MB952J/A Core 2 Duo / 3.06Ghz / 27inch
MB953J/A Core i5 / 2.66Ghz Quad / 27inch

2010.7 には全モデルが Core i シリーズに統一されました

Mid 2010 モデル(2010.7〜)
MC508J/A Core i3 / 3.06Ghz / 21.5inch
MC509J/A Core i3 / 3.20Ghz / 21.5inch
MC510J/A Core i3 / 3.20Ghz / 27inch
MC511J/A Core i5 / 2.8Ghz Quad/ 27inch

この世代からは上位機種にはQuad Core(4コア)CPUが採用されました
Quad モデル+16GB メモリ搭載+SSD 換装等を施すと
旧型の Mac Pro よりも快適に動作する iMac が作れるんですよね
まぁ iMac もついにここまでキタんだなぁという思いでしたね

そして 2011.5 発売の現行モデル
Sandy Bridge マイクロアーキテクチャ Core i5
Thunderbolt インターフェース搭載と
次の世代へと進化しました

8世代 Intel iMac (2011.5〜)
Mid 2011 モデル
MC309J/A Core i5 / 2.5Ghz Quad / 21.5inch
MC812J/A Core i5 / 2.7Ghz Quad / 21.5inch
MC813J/A Core i5 / 2.7Ghz Quad / 27inch
MC814J/A Core i5 / 3.1Ghz Quad / 27inch

以上
ここまで機械的に書いてきましたが、最近の機種って
HDD を交換できないしくみになってるんですよね
正確には物理的には交換可能ですが、交換してしまうと
ファンが暴走するように仕組まれているんですよ
我々修理する側からすると最低最悪です
HDD 交換すら他社にさせない訳ですからね、、、、
こういう傾向は PowerMac G5 の頃からありました
CPU を交換するとファンが高速回転!とか、、、。
もう最悪どころの話じゃないです
それでなくても Apple 製品は扱いにくい商材なんですが
ここまでくると修理はおろか、メンテナンスすら不可能ですからね
私共のようなショップは死活問題ですよ、、マジで、、、。
と愚痴っぽくなってきたところで

故障傾向です

まず全般的に言えることは、今やドライブ類は消耗品です
3〜5年で故障するものと考えた方がよろしいかと思います
重要なデータを扱うのなら、常にバックアップはしておくべきです

個別に見ていきましょう

5代目 Intel iMac (2006.1〜)
Early 2006 モデル
MA199J/A Core Duo / 1.83Ghz / 17inch
MA200J/A Core Duo / 2.0Ghz / 20inch

(2006.9〜)
Late 2006 モデル
MA710J/A Core 2 Duo / 1.83Ghz / 17inch
MA589J/A Core 2 Duo / 2.0Ghz / 17inch
MA590J/A Core 2 Duo / 2.16Ghz / 20inch

は Intel Mac とはいえ4〜5年が経過し
樹脂筐体ということで冷却能力が劣ることもあり
ぼちぼちロジックボードの故障が目立つようになってきました
液晶の表示に異常が出ている不具合も増えているようです
Early 2006 モデルは OSX 10.7 Lion 非対象機種なので
修理と買い替えの判断に迷うところです

6代目 Intel iMac (2007.8〜)
Mid 2007 モデル
MA876J/A Core 2 Duo / 2.0Ghz / 20inch
MA877J/A Core 2 Duo / 2.4Ghz / 20inch
MA878J/A Core 2 Duo / 2.4Ghz / 24inch

2008.4〜
Early 2008 モデル
MB323J/A Core 2 Duo / 2.4Ghz / 20inch
MB324J/A Core 2 Duo / 2.66Ghz / 20inch
MB325J/A Core 2 Duo / 2.8Ghz / 24inch
MB398J/A Core 2 Duo / 3.06Ghz / 24inch

2009.3〜
Early 2009 モデル
MB417J/A Core 2 Duo / 2.66Ghz / 20inch
MB418J/A Core 2 Duo / 2.66Ghz / 24inch
MB419J/A Core 2 Duo / 2.93Ghz / 24inch
MB420J/A Core 2 Duo / 3.06Ghz / 24inch

は登場から2〜3年ということもあり、まだまだ現役バリバリの世代です
HDD の換装が可能な世代なので、もしビジネスで利用されているのならば
大容量の HDD や SSD に交換しメモリを可能な限り搭載し
延命も兼ねたメンテナンスをされてもいい時期かもしれません
まだそれほど修理扱いは多くありませんが
若干ですがロジックボードが弱点のような印象があります

7代目 Intel Mac(2009.10〜)
Late 2009 モデル
MC413J/A Core 2 Duo / 3.06Ghz / 21.5inch
MB952J/A Core 2 Duo / 3.06Ghz / 27inch
MB953J/A Core i5 / 2.66Ghz Quad / 27inch

(2010.7〜)
Mid 2010 モデル
MC508J/A Core i3 / 3.06Ghz / 21.5inch
MC509J/A Core i3 / 3.20Ghz / 21.5inch
MC510J/A Core i3 / 3.20Ghz / 27inch
MC511J/A Core i5 / 2.8Ghz Quad/ 27inch

8代目 Intel iMac (2011.5〜)
Mid 2011 モデル
MC309J/A Core i5 / 2.5Ghz Quad / 21.5inch
MC812J/A Core i5 / 2.7Ghz Quad / 21.5inch
MC813J/A Core i5 / 2.7Ghz Quad / 27inch
MC814J/A Core i5 / 3.1Ghz Quad / 27inch

これらの新しい世代の iMac は
メーカー保証や Apple Care の保証期間内の機種が多く
有償修理をされる方が少ない世代です
「故障傾向」を書ける程のサンプル数がございませんので
コメントは控えさせていただきます
前述のとおり HDD 交換ができない点は、残念としか言えません

iMac の故障傾向は以上です

ここまで書いてみて感じた事は、、、、
「止めときゃ良かった」
です(笑)

こんなボリュームになることは想定しておりませんでした
もっと端折れば良かったんでしょうが
書いてるうちに修理で苦労したことや
お世話になったお客様の事を思い出すたびに
アレやコレや書き加えてしまい
こんな量になってしまいました
その1、その2も加筆・訂正するかもしれませんが
よかったらまた読んでやってください
iMac の系譜というか、雑誌などでは紹介されない
iMac 歴史の側面を少しだけ感じることができるかもしれません
ここまでお付き合いいただきありがとうございました

→ iMac 故障傾向 その1へ

→ iMac 故障傾向 その2へ

それではまた次回、またこの場所で…

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